この2作品は、久々に映画館で見たいと思う作品さぁね。

父親たちの星条旗 は、硫黄島での攻防をアメリカ側から描いた作品
硫黄島からの手紙 は、硫黄島での攻防を日本側から描いた作品

何で今更硫黄島って声もなきにしもあらずだけど、
ようやく硫黄島をきちんと扱う映画が出来て、私は心底安心。

まず、硫黄島とは、東京から南へおよそ1250km下ったところに浮かぶ島である。なぜ、太平洋戦争当時、この小さな島が
日米両軍がぶつかる激戦区となったかというと、
当時、すでにマリアナ沖海戦で大敗を喫してマリアナ群島を喪失、マリアナ群島(サイパン島やら)からB29が連日、日本空襲を
行っていたんだけども、いくらB29とはいえ、一部の日本軍戦闘機や、高射砲相手には損害が出る(開戦当初のゼロ戦二十一型では、高高度戦闘はかなり厳しいけども、五式戦や疾風、月光やらは、高高度迎撃も考慮された設計ではある。ま、格闘戦重視>大型爆撃機迎撃の日本では、配備が遅れてたけども)から、
日本軍機に対する戦闘機の護衛と、B29の緊急着陸の拠点が欲しかった。そこで目をつけたのが硫黄島。 硫黄島からなら、P51ムスタングなどの米軍戦闘機が往復できる位置であるし、整備すれば緊急着陸も可能な飛行場用地を有する、唯一の島だったからなんよね(父島なんかは、飛行場用地がねぇ)。
実際、硫黄島占領・整備後は、B29はP51の護衛によって昼間爆撃も可能になったし、高度を下げることによる、精度を上げての爆撃も可能になった。P51は、B29護衛だけでな、機銃掃射まで行ったために、都市部だけでなく郊外にも危険が及ぶようになった。

例のごとく脱線した.。.:*・゜゜・(´ー`).。*・゜゜・*:.
んっと、硫黄島攻略が始まったのは、上陸前の艦砲射撃と空爆の始まった1945年2月16日。上陸が始まったのは同年2月19日。
日本軍の組織的戦闘は3月25日に終結。ただ、完全にゲリラ戦も終わるのは6月までお預けとなったのね。
当初、米軍の作戦開始前の攻略予定は5日だった(広大にして堅牢な、ドイツ軍の大西洋の壁の攻略や、硫黄島よりも堅牢(中部太平洋における、トラック諸島と並んで日本軍最大の拠点の1つ)なサイパン島での上陸戦を成功させてた経験から算出)のに、
1ヶ月以上も遅らせることができた原因は、
日本軍守備隊の奮闘に他ならないっすな。

硫黄島守備隊の総司令官は、 栗林忠道中将閣下。
太平洋戦争開戦以前は、アメリカへの駐在経験ももつ、
陸軍軍人にしては珍しい海外通。さらには冷静な観察眼ももっていて、硫黄島戦までの、米軍によるノルマンディー戦やサイバン戦の結果をみて、これまでの硫黄島のような孤島における、
水際戦闘は米軍の圧倒的な支援砲爆撃の前には、兵力の浪費にしか過ぎないと悟り、これまでの伝統であった水際迎撃を厳禁とし、用意周到、緻密な内陸の防御陣地を拠点にした迎撃戦で、
少しでも多く米軍側の損失を増大させ、全体の作戦行動を遅延させようと決心してたんだよね。もちろん、これまでの伝統に固執した幹部とかが守備隊には多くいて、さらには陸軍部隊と海軍部隊での不和もあって、「このままでは拠点維持は不可能」と考えた中将が、部下の更迭・本土送還までして内陸部での迎撃をさせたんよね。戦闘が始まるまで、着任してすぐに、地表に露出してる砲陣地を地下に隠蔽する工事はもちろん、洞窟陣地や坑道の整備などによって、全長18kmにも及ぶ広大にして堅牢な地下陣地を構築、1ヶ月以上にも及ぶ、守備隊の超人的な戦闘を可能にしたんだよねー。

実際、戦闘が始まった直後、これまでの日本軍同様、水際迎撃に出てきた日本軍守備隊を支援攻撃(艦砲射撃や空爆)によって撃破したあと、内陸部の掃討をと考えてた米軍は上陸初日から大損害を被って、上陸2日目にして予備兵力の投入を行ったからね。
1日の戦闘で、部隊指揮官が5回も代わった部隊もあれば、
生存者なしの文字通り殲滅をした部隊もちらほらと。

それでもやはり、およそ25万の兵力(艦船搭乗の海軍兵とか全てを込みでの数字)を誇る米軍と、綿密な防衛準備をしたとはいえ21000弱しかいない日本軍。さらにはほぼ無尽蔵の補給・支援が可能な米軍と、ほとんど補給・支援の見込みがない(何度かは航空機による支援攻撃もあったけども、焼け石に水)日本軍では、
1ヶ月以上持ちこたえたことこそが奇跡だったんだけどね。

今でも、都市部への空襲や広島・長崎の原爆投下。
さらには民間人の多数の死傷者を出した沖縄戦ばっかりクローズアップされる(それでも、やはり夏の一時期だけだけど)のに対し、硫黄島はこれまでほとんど触れられていなかったんだけども、硫黄島守備隊、栗林兵団の奮戦があったからこそ、
B29とP51による日本本土空襲や、沖縄戦に大幅な遅延をもたらせたんだし、特にP51の日本本土進出を1ヶ月以上も遅らせた結果、
空襲の犠牲にならなかった人々や地域が多数あるってのも歴然たる事実。まぁ、硫黄島での苦戦があったからこそ、沖縄戦での米軍のさらに徹底した砲爆撃と、洞窟陣地への念入りかつ執拗な火炎放射などが行われて、民間人の死傷者を多くさせてしまったのも事実だけれども。

やはり硫黄島での苦戦があったからこそ、日本本土での非戦闘員の被害が抑えられた。もし硫黄島守備隊があっけなく敗戦、もっとはやくに占領されていたら、本土の被害がさらに増えていたということを踏まえて、もうすこし日本国民全体に、硫黄島守備隊の奮戦、硫黄島攻防戦の異議を考えてもらいたいなぁ・・・。

思いつくままに書いてるので、後日追記ないしは編集予定(´・ω・`)

硫黄島は、太平洋戦争中で唯一、米軍の人的損害数が日本軍の戦死者数を越えた戦闘。この攻防がもたらした影響は大きいってことを(´・ω・`)

コメント

Daisu
Daisu
2006年10月22日12:58

超見たい

早くテレビでな(ry

咲
ロンメル元帥(など)
2006年10月26日18:21

私は、アメリカ側の苦戦をきちんと描いた作品だし、
戦争を題材にしてる作品だから音響設備の整った映画館で
見たいかなぁ(´・ω・`)
咲

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